損傷種類②:亀裂

【一般的性状・損傷の特徴】
鋼材に生じた亀裂である。鋼材の亀裂は,応力集中が生じやすい部材の断面急変部や溶接接合部などに現れることが多い。亀裂は鋼材内部に生じる場合もあり,外観性状からだけでは検出不可能な場合がある。
亀裂の大半は極めて小さく,溶接線近傍のように表面性状がなめらかでない場合には,表面きずや錆等による凹凸の陰影との見分けがつきにくい場合がある。なお,塗装がある場合に表面に開口した亀裂は,塗膜われを伴うことが多い。アーチやトラスの格点部などの大きな応力変動が生じることのある箇所については,亀裂が
発生しやすい部位であることに加えて,損傷した場合に構造全体系への影響が大きいため,注意が必要な場合がある。ゲルバー構造などにある桁を切り欠いた構造部分では,応力集中箇所となり,疲労上の弱点
となる場合がある。同一構造の箇所では,同様に亀裂が発生する可能性があるため,注意が必要な場合がある。


【他の損傷との関係】
・ 鋼材の亀裂損傷の原因は外観性状からだけでは判定できないことが多いので,位置や大きさなどに関係なく鋼材表面に現れたわれは全て「亀裂」として扱う。
・ 鋼材のわれや亀裂の進展により部材が切断された場合は,「破断」として扱う。
断面急変部,溶接接合部などに塗膜われが確認され,直下の鋼材に亀裂が生じている疑いを否定できない場合には,鋼材の亀裂を直接確認していなくても,「防食機能の劣化」以外に「亀裂」としても扱う。

出典:橋梁定期点検要(平成31年3月 国土交通省 道路局 国道・技術課)

参考資料:判定の手引き / 出典:岐阜県橋梁点検マニュアル(令和4年3月改定版)

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この記事を書いた人

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