損傷種類⑤:防食機能の劣化

代表的な防食法は①塗装、②めっき、③金属溶射、④耐候性鋼材がある。
①〜③は、被覆による防食であり、鋼材を腐食の原因となる水や酸素等から遮断するもの。

防食機能が低下すると・・・
・塗装:防食機能の劣化
・めっき・金属溶射:防食皮膜の劣化により、変色、ひびわれ、ふくれ、はがれ等がみられる。
・耐候性鋼材:鋼材の腐食速度を抑制させる保護性錆を鋼材表面に形成させるものであり、異常錆が形成されていないことを確認する必要がある。

防食機能の分類は,次による。

分類 防食機能
1塗装
2めっき,金属溶射
3耐候性鋼材

【一般的性状・損傷の特徴】
鋼部材を対象として,分類1においては防食塗膜の劣化,分類2においては防食皮膜の劣化により,変色,ひびわれ,ふくれ,はがれ等が生じている状態をいう。
分類3においては,保護性錆が形成されていない状態をいう。


【他の損傷との関係】
塗装,溶融亜鉛めっき,金属溶射において,板厚減少等を伴う錆の発生を「腐食」として扱い,板厚減少等を伴わないと見なせる程度の軽微な錆の発生は「防食機能の劣化」として扱う。
耐候性鋼材においては,板厚減少を伴う異常錆が生じた場合に「腐食」として扱い,粗い錆やウロコ状の錆が生じた場合は「防食機能の劣化」として扱う。
コンクリート部材の塗装は,対象としない。「補修・補強材の損傷」として扱う。
・火災による塗装の焼失やススの付着による変色は,「⑰その他」としても扱う。

【その他の留意点】
・局部的に「腐食」として扱われる錆を生じた箇所がある場合において,腐食箇所以外に防食機能の低下が認められる場合は,「防食機能の劣化」としても扱う。
・耐候性鋼材で保護性錆が生じるまでの期間は,錆の状態が一様でなく異常腐食かどうかの判断が困難な場合があるものの,板厚減少等を伴うと見なせる場合には「腐食」としても扱う。板厚減少の有無の判断が難しい場合には,「腐食」として扱う。
・耐候性鋼材の表面に表面処理剤を塗布している場合,表面処理剤の塗膜の剥離は損傷として扱わない。
・耐候性鋼材に塗装している部分は,塗装として扱う。
・溶融亜鉛めっき表面に生じる白錆は,損傷として扱わない。
・鋼コンクリート合成床版の底鋼板及びI型鋼格子床版の底型枠は,鋼部材として扱う。

出典:橋梁定期点検要(平成31年3月 国土交通省 道路局 国道・技術課)

参考資料:判定の手引き / 出典:岐阜県橋梁点検マニュアル(令和4年3月改定版)

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この記事を書いた人

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