私が受験する「鋼構造及びコンクリート」の過去問から出題内容を整理するところから始めました。以下、過去6年分(R6〜R1の出題問題)を整理したものが以下のとおりです。
必須科目Iの過去問分析
必須科目I-1 | 必須科目I-2 | |
R1 | 生産性向上 | 国土強靭化 |
R2 | 担い手確保 | 維持管理 |
R3 | 循環型社会 | 水害対策 |
R4 | DX | カーボンニュートラル |
R5 | 大規模地震対策 | 維持管理 |
R6 | 社会資本整備 | DX(大規模災害) |
<頻出の整理・分析>
過去5年の傾向を確認してみると、以下5項目が重要キーワードと考えられる。
以下の5論文に対する論文解答案を整理することで、出題内容が変わってもある程度対応できると考えました。
国土強靭化・防災・社会資本整備
・R1・R3・R5(大規模地震)・R6
維持管理
・R2、R5
自然環境保全(カーボンニュートラル・循環型社会)
・R4(低炭素社会)、R3(循環型社会)
DXの推進・生産性の向上
・R4(DX)、R1(生産性向上)、R6
担い手不足・技術継承
・R2で出題。
問題フォーマットの確認・解答フォーマット(案)のベース作成
必須問題Iでは、600字x3枚、計1800文字以内の記述かつ制限時間があるため、フォーマットを予め決めておき、それに沿って書く内容だけに集中することが重要だと考える。(R6初受験時では、文章を直していたり、フォーマットが定まっていないと時間のロスに繋がり、制限時間内に書き終わることが難しいと感じたからです。)
問題フォーマット(R1〜R7でほぼ共通である)
(1)技術者としての立場で、○○○に対し重要な課題を多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題をその理由とともに1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を具体的に示せ。
(3)全問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)上記事項を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件、留意点を述べよ。
設問(1)は、3つと記載があることから、必ず3つの課題を記述します。最近R6R7の問題では、観点を明記した上でと記述があることから、必ず観点についても明記します。
設問(2)は、(1)で挙げた課題の中から、重要課題を1つ選び理由を簡潔に記述、複数の解決策とあるが、課題と同様に3つ多面的に記述するのが良いと考えられる。
設問(3)は、(2)で記述した解決策を実行しても、新たに生じるリスクと、そのリスクに対する対策を記述する。専門記述とあるため、鋼コンに関する専門キーワードを散りばめながら記述するのが良い。
設問(4)は、技術者倫理、社会持続性の観点は、主に技術者倫理要項の1・2に関する内容を記述するのが良い。
技術者倫理1:技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先する。
技術者倫理2:技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたって持続可能な社会の実現に貢献する。
それらを踏まえ、私自身の勉強用にフォーマット案を作成したのが以下である。参考までに。
<解答フォーマット1枚目>
1.○○の課題(Point:○○は問題文よりテーマ抽出する。)[課題1つ目][1行]
(1)○○(Point:タイトルで何をするための課題なのかが分かるように明記するのが良い[1行])
○○は、○○となっている。or ○○では、○○が発生した。等
(Point:現状、事実、状態、背景などを明記。2行目安)
○○の恐れがあり、現在の○○では限界となる。or 今後も○○の恐れがあり、○○が懸念される。等
(Point:前文で挙げた現状、背景などに対して、問題・懸念事項を明記。 3行目安)
そのため、○○の観点から、「○○」が課題である。
(Point:課題を解決するためには何をすること⇨課題を明記 2行目安)
[タイトル1行、本文7行でまとめると丁度、論文1枚で収まるレイアウトになるため留意する。]
(2)○○[課題2つ目]
(1)の構成と同じ。
(3)○○[課題3つ目]
(1)の構成と同じ。
<解答フォーマット2枚目>
2.最も重要と考える課題と解決策 (Point:問題文の書き方に合わせ、オウム返しで記述する。)
「○○」を最重要課題と考える。○○が喫緊の課題であり、早期の対応が必要だからである。等
(1.から最重要課題を明記)
(1)○○(解決策1)
○○において、○○を行う。(解決策を明記、何を行うのか)
具体的には、○○を実施する。(解決策をを具体的に記述する。)
これにより、○○の削減や、○○の効率化を図る。(解決策による効果を記述する。)
(2)○○(解決策2)
(1)と同じ構成
(3)○○(解決策3)
(1)と同じ構成
(解決策1〜3は、同様の内容は避け、多面的を示せるように留意する。
論理的思考法MECE(漏れなく、ダブりなく)が参考になる)
<解答フォーマット3枚目>
3.新たに生じうるリスクと対応策(Point:問題文の書き方に合わせ、オウム返しで記述する。)
(1)○○と、○○(リスクと対応策1)(Point:リスクと対策内容が分かるように明記)
○○の活用により、○○がリスクである。
対策は、○○を行うことにより、○○を図る。等
(2)○○と、○○(リスクと対応策2)
(1)と同様
(リスクと対応策は、2つ程度明記できると良い。1つだけだと複数の観点を評価されない恐れが考えられる。)
4.業務を遂行するための要点・留意点(Point:問題文の書き方に合わせ、オウム返しで記述する。)
(1)技術者倫理の観点
要点は、○○の推進にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先とすること。
留意点は、公衆の安全を脅かすことのないよう、技術の研鑽に努める。
(2)社会の持続可能性の観点
要点は、地球環境の保全等、将来世代に渡る持続可能性の確保を優先すること。
留意点は、持続可能性の確保に影響がないか検討し、影響の最小化に努める。
(基本は技術者倫理の内容を記述、定型文、○○をテーマごとに変えるイメージ)
―以上―
(論文の最後はー以上ーで締める)
個人的勉強方法
- 過去問と合格論文などから問題分析を行う(示されたテーマにおいて、現状とその原因を把握分析する)
- 課題抽出(問題解決のために、何をすべきか提示する。考えた理由も必ず示す。課題は複数示すこと。)
- 課題解決策の提示(提示した課題の1つに対する具体的な解決策を複数示す)
- リスク対策などの提示(具体策の効果や、懸念事項への対応策を示す)
- 技術者倫理、持続可能性の観点から必要な要件を記述(技術者倫理は公益確保の観点で説明する)
「テーマ」に対する「問題(原因)」「課題(解決の方向性)」「具体策」「リスク」などを技術ノートに整理。論文としてアウトプットできるように練習。
答案の記述量のイメージについて(全3枚)
- 課題提案:1枚
- 課題解決策の提示:1枚
- リスク対策などの提示:0.5枚
- 技術者倫理、持続可能性の観点から必要な要件:0.5枚
教材の使用方法・日々の学習について
- 合格論文やA判定論文を過信しない。⇨60%以上の合格点論文であり、高得点とは限らない。
(60%ギリギリの論文かもしれない。) - 解答方法は、自分なりにまとめ、解答しやすい方法を身につける。
(書籍などの記述方法を暗記し、記載するのはNG、あくまでフォーマットを身につけ、内容は問題の題意に沿って書くようにする。暗記では、試験当日書けない可能性が高い。) - 添削サービスなどを利用し、第三者(技術士)に見てもらう、アドバイスをもらう。
(私は上司(技術士)に見ていただき、有効なアドバイスをいただきました。あとは、ココナラで添削サービスを利用し合格基準に達するまで添削⇨修正を繰り返しました。最初提出の論文はダメだしだらけでした) - A41枚で見れるように論文解答を作成し、印刷して通勤時、スキマ時間に学習しました。
個人的勉強法1:勉強用エクセル(マクロ)の作成
各テーマごとに、問題文と論文解答、与条件や観点の整理にA41枚で見れるエクセル(マクロ)を作成し、通勤時や隙間時間には印刷したもので学習していました。自作エクセルマクロは、以下の条件で作成しており、自動で論文解答用紙に適した文字数で改行、詰め、句読点などの処理を行うようにしました。入力していくだけで自動整理されるものです。
・セル内容が24文字(句読点で終わる場合は25文字)を超える場合、セルの分割や移動を自動で処理するようなマクロのため、文字数超過、文字数不足、1枚に収まる文章がどれくらいなのかが、簡単に把握できます。
(技術士試験解答用の原稿用紙Wordなどがありますが、印刷するとどうしても3枚セットになったり、私は1枚で勉強したほうが効率的と感じたため以下のようなエクセルを作成しました。問題文も同時に見れるので勉強し易いと思いますし、文字数によるレイアウトの整理にも繋がりました。)
以下は、防災・減災をテーマに作成したフォーマット(例)です。
希望者などがもしいればnoteなどで提供してみようかと思っています。

個人的勉強法2:論文解答例の作成と添削(4パターン)
技術士の上司に1論文添削していただきました。また、論文添削サービスなどを利用し、同様に1論文添削していただき、1つの論文に対して添削・修正・ブラッシュアップを繰り返し、合格論文を仕上げました。
論文解答例を以下主要テーマを絞り、勉強しながら作成しました。
1)テーマ①防災減災 / 過去問R5 (技術士による添削済)
2)テーマ②維持管理 / 過去問R5
3)テーマ③担い手確保 / 過去問R2
4)テーマ④DX / 過去問R4
参考URL
国土交通省の参考資料等URL
・DX(デジタルトランスフォーメーション)
インフラDXアクションプラン(第2版)一部修正版(PDF形式:17.3MB)
インフラ分野のDX
・国土強靭化
第5次社会資本整備重点計画 ・ 概要
国土強靱化アクションプラン2018(平成30年6月5日国土強靱化推進本部決定) ・ 概要
・維持管理
国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画) ・ 本文 ・ 概要
地方自治体の取組支援とインフラメンテナンス国民会議
・内容が多いため、概要チェック
国土交通白書
国土のグランドデザイン2050
総力戦で挑む防災・減災プロジェクト
第三次国土形成計画(全国計画)
国土交通省環境行動計画
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