用語の学習
今回、路面性上調査業務を行うにあたり、勉強のため、整理を行う。
まずは用語の学習。
・ひび割れ
アスファルト舗装におけるひび割れとは、舗装表面に亀裂が入る現象。ひび割れによる損傷は、ひび割れ率による評価が基本となる。
・わだち掘れ
車輪が通過する位置に縦方向に生じる連続的なへこみをいう。わだち掘れが大きくなると、ハンドルが取られて車の操縦安定性が低下し、雨天時にはへこみに滞水した水が跳ね上げられ、ドライバーの視界阻害や歩行者・沿道住民への泥はねの原因になる。
・縦断方向の凹凸(おうとつ)
供用に伴うひび割れ、わだち掘れや路床・路盤などの支持力低下による不等沈下、構造物と舗装の接合部における段差や、補修箇所の路面凹凸など様々な要因により発生する。
・ポットホール
アスファルト舗装に生じた直径0.1〜1m程度の穴のことである。梅雨期など雨の多い時期に発生しやすい。通行車両の走行安定性を著しく低下させる。
岐阜県における舗装の現状と今後の管理方針
平成23~25年度に実施した舗装の定期点検の結果から、岐阜県ではひび割れによる劣化が多い。
これは、直ちに危険な状態になることを示したものではありませんが、舗装表面のひび割れを放置すると、雨水の浸透によって舗装の劣化が進行し、穴ぼこの発生を助長して事故の危険が高まることを意味しています。
舗装の状態を適切に管理するためには、ひび割れの劣化進行を予測して、適切な時期に効果的な補修を実施することが有効であると考えられる。
維持管理計画の基本方針
岐阜県では、予算額の算定には、県全体の平均的な舗装管理水準を設定する必要があるため、舗装の定期点検の結果と国の点検基準を参考に、以下の 3 項目を基本方針としている。
- ひび割れ率を管理指標とする。
- 修繕のタイミングは、ひび割れ率20%以上、わだち掘れ量20mm 以上(「損傷レベル:中」以上)を修繕開始の時期とする。
- 管理目標は、ひび割れ率40%以上(損傷レベル:大)の箇所を生じさせないことを基本とする。
予防保全
従来の対症療法的な補修では、劣化が相当進行してから補修するため、路盤まで損傷が進行している場合があります。路盤まで補修すると補修費用が 高くなる上、補修時にはすでに穴ぼこが発生しやすい状態であるため、事故の危険性が高まります。
一方で予防保全の場合は、軽度な劣化の時点で補修するため、アスファルト層のみの補修で済むことが多く、工事規模が小さいため補修費用が安くなります。
岐阜県では、舗装の劣化状況を総合的に判断することを重視し、補修箇所の選定、優先順位の決定にあたっては、MCI を総合的な管理指標としている。
(補修計画は、具体的な補修箇所の選定および優先順位の決定を目的とするため、舗装の劣化状況を総合的に判断することを重視し、 ひび割れ率、わだち掘れ量、平坦性を総合的に評価できる「MCI」を管理指標としている。)
現在は、MCI が 4 を下回った段階を補修時期の目安としています。また、ひび割れ率20%、わだち掘れ量20mm を超過する箇所についても補修箇所として選定している。
MCIとは
MCI( Maintenance Control Index: 舗装の維持管理指数 ) とは 、 舗装の供用性を「 ひび割れ率」、「わだち掘れ量」及び「平たん性(σ)」という路面性状値によって定量的に評価するものである。
舗装の劣化に伴いMCIは低下する 。
舗装の劣化形態は様々なものがあり、例えばひび割れ卓越型の劣化形態や、わだち掘れ卓越型の劣化形態が存在する 。「ひび割れ率」 や 「わだち掘れ量」といった単独指標では、それら劣化形態の異なる舗装の比較が困難である。
そこで、昭和56年に建設省土木研究所が、道路局、地方建設局(いずれも当時)とともに、維持修繕判断を行う総合的な指標として開発したものがMCIである。
舗装補修の際の主な対策工法
対策工法 | 工法概要 |
オーバーレイ | 既設のアスファルト層の上に新しいアスファルト舗装 を敷設する。 |
切削オーバーレイ | 既設のアスファルト層を切削機で削り取り、新たに再 舗装する。 |
打換え | 既設のアスファルト層および路盤層を切削し、新たに 再舗装する。 |
路面性状のデータ作成
測定結果は、一般社団法人日本道路協会が発行する「舗装調査・試験法便覧」(平成19年6月)の規定に従って解析する。
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