腐食とは・・・
集中的にさびが発生していること,又は,さびが極度に進行 して板厚減少や断面欠損が生じていること
主な要因
鋼桁の腐食の要因には、漏水や雨水の影響が多い。
腐食しやすい箇所は、漏水の多い桁端部,排水装置周辺 ,泥やほこりが堆積する水平材や下フ ランジの上面、支承部周辺,通気性・排水性が悪い連結部 、溶接部,高カ ボルト連結部 など
腐食は,酸素と水の混在で発生し,腐食性物質(大気中の亜碗酸ガス、海塩粒 子等) と水分が混在する環境で促進するが、水分がなければ腐食は促進しない
【一般的性状・損傷の特徴】
腐食は,(塗装やメッキなどによる防食措置が施された)普通鋼材では集中的に錆が発生している状態,又は錆が極度に進行し板厚減少や断面欠損(以下「板厚減少等」という。)が生じている状態をいう。耐候性鋼材の場合には,保護性錆が形成されず異常な錆が生じている場合や,極度な錆の進行により板厚減少等が著しい状態をいう。腐食しやすい箇所は,漏水の多い桁端部,水平材上面など滞水しやすい箇所,支承部周辺,通気性,排水性の悪い連結部,泥,ほこりの堆積しやすい下フランジの上面,溶接部であることが多い。
鋼トラス橋,鋼アーチ橋の主構部材(上弦材・斜材・垂直材等)が床版や地覆のコンクリートに埋め込まれた構造では,雨水が部材上を伝わって路面まで達することで,鋼材とコンクリートとの境界部での滞水やコンクリート内部への浸水が生じやすいため,局部的に著しく腐食が進行し,板厚減少等の損傷を生じることがあり,注意が必要な場合がある。アーチ及びトラスの格点などの構造的に滞水や粉塵の堆積が生じやすい箇所では,局部的な塗膜の劣化や著しい損傷が生じることがあり,注意が必要な場合がある。PC横締めのように同一構造が連続する場合,1箇所の損傷が他箇所にも進行していることがあるため,注意が必要な場合がある。
ケーブル定着部などカバー等で覆われている場合に,内部に水が浸入して内部のケーブルが腐食することがあり,注意が必要な場合がある。
【他の損傷との関係】
・ 基本的には,板厚減少等を伴う錆の発生を「腐食」として扱い,板厚減少等を伴わないと見なせる程度の軽微な錆の発生は「防食機能の劣化」として扱う。
・ 板厚減少等の有無の判断が難しい場合には,「腐食」として扱う。
・ 耐候性鋼材で保護性錆が生じるまでの期間は,錆の状態が一様でなく異常腐食かどうかの判断が困難な場合があるものの,板厚減少等を伴わないと見なせる程度の場合には「防食機能の劣化」として扱う。
・ ボルトの場合も同様に,減肉等を伴う錆の発生を腐食として扱い,板厚減少等を伴わないと見なせる程度の軽微な錆の発生は「防食機能の劣化」として扱う。
・ 主桁ゲルバー部,格点,コンクリート埋込部においては,定期点検要領5(1)解説のとおり,それが属する各部材として,かつ,それぞれ単独としても取り扱う。(以下,各損傷において同じ。また,損傷程度の評価とは評価単位が異なるので注意すること)。
【その他の留意点】
・ 腐食を記録する場合,塗装などの防食機能にも損傷が生じていることが一般的であり,これらについても同時に記録する必要がある。
・ 鋼材に生じた亀裂の隙間に滞水して,局部的に著しい隙間腐食を生じることがある。鋼材に腐食が生じている場合に,溶接部近傍では亀裂が見落とされることが多いので,注意が必要である。
・ 鋼コンクリート合成床版の底鋼板及びI型鋼格子床版の底型枠は,鋼部材として扱う。
出典:橋梁定期点検要(平成31年3月 国土交通省 道路局 国道・技術課)
参考資料:判定の手引き / 出典:道路橋定期点検要領(平成31年2月 国土交通省 道路局)
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